「すみません!」


恵美は思いっきりドアを開け

店内に入った

いつもより大きな声が

私に緊張感を伝えてきた


「いらっしゃいませー。

 初めまして!」


カウンターから聞こえた声―

夕紀さんだ…

私は恵美に一歩遅れて

店内に入った


「あら!麻美さんじゃない!

 久しぶ…り…」


夕紀さんは私と視線が合わないことに

感づいたのだろう

いつもより1オクターブ声を落とし話しかけてきた


「どうしたの?

 パッタリ来なくなったから心配してたのよ…

 携帯も圏外で繋がらなかったの…

 目は…

 事故…?」