土曜日の朝―

『ピンポーン』


「はぁ~い!」


家のチャイムが鳴った

眼の悪い私を気遣って

恵美はわざわざ家まで迎えに来てくれたのだ

本当に頼りになる友達だ


私はこれから巻き起こる事の真相に

不安でいっぱいだった…


行って追い返されるのがオチだろう…と思うと

足が進まなかった


エステ『PINKY』までの道のりは

無情にもいつもより短く感じた


『カツ…カツ…カツ…カツ…』


恵美の歩くヒールの音が

私の心に圧迫感を与えた



「いい?!

 入るよ!」


恵美は気合で満ち溢れている声をしていた

私は怖さで思わず恵美の服の袖をギュッと掴んだ