『コン…コン…』


母が軽くドアをノックした


「失礼します。」


そう言い部屋に入った


営業部ということもあり

中には部長以外、数名いただけだった

コツコツコツ…

誰かの足音が私の方に近づいてくるのが分かった


「おぉ!林君!

 体のほうは大丈夫なのかね?

 話はなんとなく聞いていたよ。」


部長の声だ!!


「部長ぉ…

 短い間でしたが本当にお世話になりましたぁ…。」


私は思わず今までの思い出がフラッシュバックし

涙がポロポロ流れてきた


「林君…。

 頑張れよ…。」


部長が肩をポンポンと叩いた

まるで我が子を心配するかのような優しい手だった