歩くことにもだいぶ馴れた私は

この日、昔の職場に最後の挨拶へ行くことにした


お母さんに誘導してもらいながら書いた退職届…


これで職場と縁が切れるんだ…

と思うと少し切なかった


『一身上の都合により退職いたします。』


たった一言だが私は心を込めて書いた

どうしても一行のマスに収めることが出来ず

18回書き直した

結局、上手くいかず

線の引いていない紙に書くことになった


私は退職届をしっかりと左手に持ち

母親と一緒にタクシーで職場に向かった