部屋のベッドの上で、小さなビンを摘んでいた。コイツ、匂いすんのか?

キュポンッと音を立ててふたを開ける


んー……。
ミント?いや……歯磨き粉


そういえばコイツ、どんな魂か聞かなかったな
もしかしてただの薬だったりして


サギとか。
あ、でも貰っただけだしな。


1口だけ飲んでみようか、うーん……


ビンの飲み口に口をつけたまま悶々としていた
よしっ!……いやでも


バァアンッ
閉じていた部屋のドアが勢いよく開いた。


驚いた衝撃でビンの中身が体に吸い込まれていった


「ゴホッ!おまっ……っゲホッ、何しに」


「あ、わりぃ。この前貸した傘返してもらいに」

あー?
勢いよく入ってきたのは啓太だった


全く、あ、でも飲んだ割に変わんねー
やっぱだまされたんだな俺


「俺、傘かりたか?」


「あぁ、パンダの」


あ、あの趣味のわるいパンダ柄の傘か


「下駄箱あされ、あるから」


「へーい」


自由なヤツ。
勢いよくきたくせに
マイペースに帰って行った