おずおずと、

ツバキさんに指示された場所へ近付く。


「トロい。

 地味な上にトロいなんて、

 本当、女としての魅力ないわね」


そう吐き捨てると、

ツバキさんがパイプ椅子を指差した。


「あなたには

 表にいられちゃ困るから、

 この辺りにでも座って

 ヒマしてて頂戴」


「……」


あまりの屈辱に、言葉を失う。


受付とは言えない、

ひっそりと影におおわれた一角。


そんな場所にずっといたら、

身体に苔が生えてきちゃいそう。