「ダンスの振り付けを考えるのは、

 ここにいる菅野さんが

 得意と聞いています。

 菅野さんに披露してもらうのは

 どうでしょう」


玲子の無茶な振りで

全員の視線が真由に注がれる。


「そ、そんな……」


頭が真っ白でどうしたらいいか

わからない真由の姿を見て、

玲子がくすくすと笑っている。


「わ、私、得意だなんて……」


真由は小さく呟いた。


身体中が熱く、今にも倒れそうだ。


玲子はその姿を見て益々笑う。


やっぱり長嶋さんに……


そう真由は思いながら、

この場をどうしのいだらいいのか

分からず、

ただ立ち尽くしていた。