「そう言えば、

 香坂君は何か出るの」


「花帆と一緒。リレーだよ」


真由は圭輔の走る姿を想像した。


長身ですらっとした姿。


程よい筋肉質な脚で

トラックを風のように走る姿。


想像しただけで真由の心は時めいた。


早く圭輔の走る姿を見て、

この目に焼き付けたかった。


「おーい、真由ぅー」


杏奈に呼び掛けられて

真由は我にかえった。


「また別世界にいってたでしょ」


花帆に言われ

真由の頬がほのかに染まる。


「そう言えばさ、

 1組のダンス委員て誰なの」


花帆が唐突に杏奈に聞いた。