その時、

1組から圭輔がすっと出てきた。


思わず真由が、

「香坂君!」

と呼び掛けると、

圭輔が目を丸くしながら

真由を見て、

「ん、何」

と立ち止まった。


何も考えずに呼び止めてしまい、

真由の心の中が

整理できないまま自然と、

「修学旅行の時、

 二人でお話できないかな……」

と言っていた。