杏奈はびくんと反応し

慌てて花帆たちの方を見る。


そして右手の人差し指を

口にあてながら駆け足で来た。


「ちょっと花帆。

 声、大きすぎだから」


眉間にしわを寄せながら

杏奈が言う。


それに対し

さほど反省していない様子で軽く、

「ごめん、ごめん」

と花帆が言う。


真由はようやく

花帆の意図が分かったようで、

杏奈の肩をぽんと叩きながら

聞いた。