「いくぞー」


先生の声と同時に

スターターが走り始めた。


今日は確認の為なのか

力を抜いて走っている。


さすが

リレーの選手に選ばれる生徒なだけあって、

力は抜いていても身体の動きが違う。


バトンを受け取った花帆も流すように走る。


「私も花帆みたいに走れたらなぁ……」


花帆が走り終わり次へとバトンが渡る。


そしてついにアンカーの番。


圭輔がバトンを受け取る場所に立つ。


真由も真剣な眼差しで圭輔を見つめる。


流れるようにバトンを受け取り

圭輔が走り始めた。