94点ってすごいじゃん。

意外に頭いいんだ。
いつも寝てるのに…。

あ、もしかして
意外な顔ってこのこと?

なるほどね。
確かに意外だ。


テストも全部返ってきた。
点数は…やっぱし微妙だった。

でも、五十嵐君は
どの教科も高得点だった。


「五十嵐君って、意外に頭いいんだね。」

「…意外ってなに、意外って」

「だっていつも寝てるじゃん。意外じゃん。」

「そう?」

頭いいんだったら勉強とか教えてくれないかな。
また意外に教えてくれたりして?

「ねぇ。五十嵐君さ頭いいじゃん?
だからさ、出来たらでいいんだけど…
勉強とか教えてくれない?」

「…俺が?」

「うん。あ、でも出来たらでいいんだけどね。」

少し考えているんだろう。
寝ながら頭の向きを
あたしとは反対のほうに向けた。

少したってから頭の向きがこっちに向いた。
その瞬間に五十嵐君と目が合う。

え。

目があった瞬間に五十嵐君は体を起こして
こっちを向いた。

「いいよ。」

え、今いいよって言ったよね。
ってことはokってことだとね。

「そのかわり、条件付きで。」

「条件…付き?」

うん、と頷く。
条件付きで勉強教えるのかよっ。

またしても意外。

「で、条件って何?」