教室に入るとほとんどの人が自分の席にいた。

あれ?

なんか雰囲気が違くない?

とりあえずあたしは自分の席に向かった。

そこにはやっぱり五十嵐君がいた。
もちろん寝てるけど。

自分の席に座るのと同時に五十嵐君が体を起こした。
その下には
数学の教科書が。

「あれ?ひ…なんだっけ…」

「日向このみですっ。覚えてよ。」

「あーそうそう…。そういえばそんな名前だった…うん」

目をこすりながら眠たそうにあくびをする。
あくびをし終わった五十嵐君は
あたしのほうを向いた。

あくびをしたからだろう。
五十嵐君の目がうるうるしていた。

「えーっと…日向はさ、早く学校来なくてよかったの?」

「え、なんで?」

「だってここにいるやつら今日テストだからって
早く来て勉強してるんだぜ?」

…あれ?

今、テストって言わなかった?

…忘れてたぁぁぁぁぁ!!!!

どうしよ。
今から勉強やっても間に合わないし。

未来日記に書いてあった
忘れてはいけないことってこのことかっ。

「まさか、忘れてたとか?」

あたしの表情でわかったんだろう。
相当やばい顔だったから。

って…

「五十嵐君は勉強しなくていいの?!寝てばっかだしっ」

「いや、俺一応勉強してたし」

机を指さしながらまたしてもあくびをする。

机の上には数学の教科書。

これってそういうことだったのか。

「まぁ、とりあえず大丈夫ってことで…おやすみ」

「寝るなぁぁぁぁ!!」


この日のテストは
ぎりぎりわかった問題だったからなんとか答えられた。
正直危なかった。