駅前のおおきなマンションが彼の家だった。 インターホンを押し、緊張しながらマイクにむかって声をだす。 「あの…陽平くんのクラスメイトの、如月雪子です。…その、陽平くんいますか…」 たいして話したこともないのに陽平くん、と呼ぶのは勇気がいった。 「あらぁ、陽平の?いるわよ、ちょっと待っててねぇ」 やけに間延びした女性の声のあと、自動ドアが開いた。 私は一目散にかけだして、彼に会いにいった。