でも実際は、そんなに純粋にわくわくするようなことではなかった。
「…わたしね、実は、ずっと前から…越野くんが、好きなの」
「………陽ちゃんを?沙羅ちゃんが…?…………
…………………………好き!!??」
思わず叫んでしまうと、沙羅ちゃんは慌てて「わわっ、しーっ!」と人差し指を立てた。
「えっ、えっ…本当なの!?うっそ、あの陽ちゃんをっ!?」
「う、うん…」
恥ずかしがりやの沙羅ちゃんは照れて顔が真っ赤だった。
私は思わぬ方向の話の内容に、呆然とした。
「あ…あの、雪子ちゃん大丈夫?」
「…え、あ、あぁ…うん…大丈夫…」
沙羅ちゃんは意を決したように、私をまっすぐみつめた。
「それでね、雪子ちゃんに……協力してほしいの!」