「もしもーし」

『あ、もしもし?引っ越し済んだの?』

電話の相手は私の幼馴染で大親友、海原 柚子(うみはら ゆず)だった。

「とりあえず片付け終わったとこ♪」

『そっか。あ、お隣さんに挨拶行ったりした??』

「お隣さん?」

私は首をかしげた。

『これから何かお世話になるのかもしれないし、一応挨拶言ってた方がいいんじゃないかな?』

流石は柚子!大人な意見だ…

「分かった。じゃあ行ってくるね」

『おう、いってらっしゃい!』

柚子との電話を終わらせて私は少し緊張しながら

ドアノブに触れた。