アタシは親が迎えに来たから
更衣室に向かって
「お疲れ様でぇす」
と叫んで店を出た。


"なんで…祐さん…?
祐さんひさしぶりゃ
何してたんやろ"

きっと祐はアタシと
前に1回会っていることは
覚えていないだろう。

家に着いてからアタシは
店に忘れ物をしたことに気付き
明日絶対にいるものだった。
取りに行こうとも考えたが
今は23時を回ったところ。
高校生は22時半を過ぎると
店に入ってはイケない決まりがあった。
だからアタシは店に電話をした。


「もしもしお電話ありがとうございます」

出たのはマネージャーだった。

アタシ
「こんばんわぁ
あの~涼ですけどぉ」

マネージャー
「あ~涼かぁ
どないしたんょ~」


「すいませぇん
忘れ物したから取りに行きた…」

全部言い終わる前に

マネージャー
「あぁそーかぁ
ほな家まで持って行かすわぁ」


「そんなん悪いですょ…」

マネージャー
「ええよええよ
今店暇やし。祐に持って行かすわ。
ほなまたわからんかったら電話さすわ」

電話は切れていた。


"祐さん…祐さんが来るん?"

アタシは嬉しかったけどなぜか緊張した。

"なんで緊張するん?"

アタシは頭が混乱しつつ
戸惑っていた。