妊娠。


アタシは妊娠していた。
初めは信じられなかったが
何もかもが一致していた。
祐とHをして…
食欲が無くなり体調が悪くなり…。
祐はゴムをつけていなかった。


アタシはどうしたらいいのか
分からなくなってしまった。
祐はもうアタシの側にはいない。
いくら子供がスキだと言っても
まだ16のアタシに子育てなんて到底ムリ。
初めてに初めてが重なって
アタシは限界だっ。

家に帰る途中も親にはすごく怒られた。

ママ
「あんたなぁ…
誰や?相手は?」

アタシは何も考える事すらできずに
黙り続けていた。

次の日アタシが起きると
両親共に仕事を休んでおり
妊娠の話になった。

パパ
「お前ええ加減にしとれや。
誰が育てて行くねん。
誰がその年で子ぉ作ってええ言うたねん。
お前意識低すぎんとちゃうか?
命やぞ?生きてんやぞ?
誰の子ぉやねん」

アタシ
「涼赤ちゃんおろす…。
いろいろ考えたよ?
涼子供スキやし産んで育てよ思た。
やけど今は高校出て大学行って
資格取ってちゃんと仕事就いてから
赤ちゃん産みたいってちゃんと思った。
赤ちゃんおろすのは命を捨てること。
だからもう絶対こんな過ちは繰り返せへん。
相手は祐さん。」


ママ
「誰やねん。祐てよ?どこのヤツや?
お前が妊娠しとるって知っとんけ?
連れてこんかぁ?」

アタシ
「バイト一緒の4つ上の先輩。
でももう別れてる。
涼が妊娠してることは知らん。
それに連絡つけへん。」

ママ
「隠してんけ?かばってんけ?逃げてんけ?
弱い男やのー。
謝りにくるのが当たり前とちゃうんけ。
ほなそいつの家知っとるやろ。
教えりや。アタシ行ってくるわ。
親に言うて来たるわ。」

アタシは祐の家を親に教えた。
祐に責任を追わせるつもりはない。
悪いのはお互い様。


"祐…
邪魔してごめんね?
涼赤ちゃんできたの…
祐の子だよ?"

そんな事を思っていても
祐が戻って来る訳がない。
いや、戻って来れない。