アタシの目が覚めたのは21時頃。
祐はいなかった。
アタシは急いで服を着替えた。

リビングからは怒鳴り声が聞こえる。

祐母
「あんた後継ぎってこと
わかってんけー」


「はぁ?
オレあと次ぐなんか
言うとらんわ」

祐母
「あんた今さら何言うてん。
そんなん通用せんわ。
あんな子連れて来ておかしいんちゃうの?
かなちゃんは知ってんの?
男のくせに何浮気しとんねん。
かなちゃんの気持ちも考ええや。
アホちゃうん?
ええ加減にしときや。
あんたとかなちゃんが結婚すんのは
変えられへんこと分かっとるやろ」


「お前ら勝手に決めすぎなんじゃよ。
オレの気持ちも考えて行動せぇや。
オレが愛したヤツと付き合って何が悪い」

祐はまた勢いよく部屋に入ってきた。


「おう…起きとったんか。
体…イケるか?」

祐はアタシにバレないように涙を拭いた。

アタシ
「祐さん…やっぱりかなちゃんと
付き合ってたんですねぇ…」


「…。
黙ってて悪かったなぁ。」

アタシ
「…祐…さん」

アタシも泣いていた。
祐がホントに好き。

祐はアタシに抱きついてきた。
祐はやっぱり暖かかった。
祐のキス。優しかった。
2人で泣きながら深いキスをした。

23時を周り帰る事に。
祐はバイクで家まで送ってくれた。
ずっと無言だったアタシらは
アタシの家に着いても喋ることはなかった。


「じゃあな」

祐はそれだけ言って帰って行った。

"祐さん?
バイバイのキスは?"





ブーブー ブーブー

ケータイが鳴った。
祐からだ。

「涼?今日はホンマ悪かったなぁ。
嫌な思い出作らしてしもたな。
オレ本間最低なヤツや。
オレ涼を傷つけた。
お前はオレとおっても幸せなれやんわ。
今日わかったわ。
悪いなぁ。それから今までサンキューなっ。
お前と居れた時間楽しかった。
理由はまだ言われへんけど
…別れよか。」

アタシはすぐに涙が出た。
理由なんか聞かなくても分かっていた。
あんたは御曹子。アタシは一般人間。
お母さんが反対するのにムリはない。
祐はかなちゃんと結婚が決まっていたのだ。
わがままを言ってもどうにもならないこと。

アタシ
「わかった。
ありがとう。楽しかったよ?」

アタシは祐にそう送り祐とは別れた。