祐の噂も無くなりかけた頃
アタシは聞いてはイケない事を耳にした。

ある日アタシはかなちゃんという
同じバイト先の同い年の子と話をしていた。
かなちゃんは祐と同じですごくお金持ち。

かなちゃん
「涼ちゃんの恋ばな最近聞いてないわぁ。」

もちろん聞くはずがない。
アタシと祐が付き合っている事は
誰にも言っていないから。

アタシ
「全然見つかれへんねぇん。
かなちゃんはぁ?」

かなちゃんはニヤけながら話し出した。

かなちゃん
「絶対誰にも言うたらアカンでぇ。
誰にも言うてへんからさ…
それに言うたらアカンつて言われてるし。
かななぁ祐さんと付き合ってんねん。」

アタシは凍りついた。
祐?祐ってあの祐?
祐が二股?
かなちゃんがウソをついているとは
思えなかった。
アタシは祐を信じていたから
とてもショックだった。
でもかなちゃんには負けたくなかったし
なによりも祐を取られたくなかった。

アタシ
「ふーん。そーなんやぁ。
いつから付き合ってるん?」

今にも泣きそうなアタシは
平然を装いながら言った。

かなちゃん
「2月からやでぇーーー」

アタシと祐が再開する前だ。
ん?祐はかなちゃんと付き合っているのに
アタシに告白したの?
かなちゃんと付き合っているから
アタシが祐と付き合っていること
言ったらダメだったの?

アタシの頭は混乱していた。
その日の昼過ぎ昼寝をしていたアタシは
祐からの電話で目が覚めた。
寝ぼけていてアタシは誰からの
電話かも確認せずに電話に出た。

アタシ
「…はぁい」


「ん?涼?寝とったんか?」

アタシは祐ということにすぐに気づき
体を起こして話し出した。

アタシ
「祐さんかなちゃんと
付き合ってるんですか?」


「何言うとんねん。
オレお前だけや。て
いつも言うとるやろ」

アタシ
「涼今日かなちゃんから聞きましたよ。
付き合ってるんでしょ?」


「はぁアイツ何言うてん。
オレとかな付き合っとらんで」

祐は認めなかった。


「涼?オレお前しかホンマ
スキちゃうねん。
お前しかムリやねん。
信じてくれや」

はぁ?「信じてくれや」?
アタシが祐を?
アタシは今まで祐を何回信じてきたか?
たったの1ヶ月で何回裏切られたか…

"祐さん…でもね。
涼は祐さんがスキなの。"

アタシは泣いていて言葉には出せなかった。


「涼?おいっ。
今から会えやんか?
いつもの場所に15時。」

アタシの返事を待たずに祐は電話を切った。