祐
「今日は付き合わせて悪いなぁ。」
祐はホントに辛そうな顔をしていた。
あんなにいつもたょけている
祐の姿はどこにもない。
アタシ
「祐さん今日いつもと違いますねぇ。」
祐
「最近いろいろあってよぉ…」
アタシ
「涼で良かったら聞きますよ?」
祐
「お前はホンマ優しいなぁ。
でも今は話されへん。
いつか絶対話すからよ」
沈黙が続き祐の様子がおかしい。
アタシ
「祐さん?」
祐
「…オレって…弱いヤツやな…」
祐が泣いているとすぐに分かった。
祐が今は話せないと言うのなら
アタシはその通りにしたかった。
アタシ
「そんな事ないですよ。
何があったのかは分からないですけど
祐さんは祐さんなりに考えてて
凄いと想いますよ?」
祐はアタシに泣き顔を見られたくないのか
顔を隠していたが
いきなりアタシに抱きついてきた。
アタシ
「えっ?」
祐
「…悪い。
今だけ」
あたしはそっと祐の背中に手を回し
右手で祐の頭を撫でていた。
祐の気持ちが落ち着くまでは
祐の思うようにしてあげたかった。
何よりもアタシは祐を支えてあげたかったから。
祐はアタシから離れ
「サンキューなっ。
お前はホンマ優しいのー
頭撫でられとって落ち着いたわ。
あのよぉ…オレお前の事スキや。
付き合ってくれやんかぁ?」
10秒ぐらい間が空いた。
祐
「わりぃ。
こんなヤツ嫌やわなぁ。
今の事忘れてなっ」
アタシ
「…。」
祐
「涼?どないしたんや?」
アタシ
「…いやや。
涼も祐さんスキでした。」
アタシは祐に告白された嬉しさで泣いていた。
祐はアタシにまた抱きついてきた。
アタシはさっきとは違い強く抱きついた。
祐は体を離しアタシの涙を拭きながら
「お前がホンマにスキや。」
そう言いすぐにアタシにチューをし
また抱きついた。
祐のキスはとても優しかった。