15時になりアタシは休憩。
すぐに祐に電話をかけた。


「もし~」

アタシ
「休憩です~」


「お疲れちゃぁん。
すぐかけ直すわぁ。」

着信音がなった。

アタシ
「はぁい」


「どーやったぁ?
忙しかったぁ?」

アタシ
「まぁまぁです。
今どこですかぁ?」


「まだ滋賀やぁ。」

アタシ
「電話しながら運転したら
ダメですよーーー。」


「してないわぃ。
電話するために
インターチェンジで停まってます~」

アタシ
「じゃあもうずっと
そこで停まってたら
いいじゃないですかぁ。」


「おう。上等じゃーーー
よしっ。ほな快活行かんとこっと」

アタシ
「やだーーーーーーーー」


「行っちゃるよ。任しとれ。」

祐と電話して10分ほど経った頃

アタシ
「じゃあちょっとご飯食べてないんで
まかない食べてきますねぇ。」


「待て。」

祐が叫んだ事にアタシは驚いた。

アタシ
「えっ?」


「今日会う時なんでもスキなもん
腹いっぱい食わしたるから
今は…行かんといてくれ…」

アタシ
「祐さん?」


「…涼?頼むわ…
今は電話しといてくれやんか…?」

祐は今まで聞いた事のないような
切ない声をしていた。

祐に何かあったことぐらい
アタシにでもすぐに分かる。

アタシは祐と電話わーし続けた。
もう3月といっても外はまだ寒い。
でも祐のあんな切ない声を聞いたら
寒さなんて考えていられない。

何があったのかは分からないが
祐は今きっと辛いだろう。
アタシは理由は聞かずに
祐の気持ちが落ち着いた時
ゆっくり聞いてあげようと思った。

ギリギリまで電話をし切るときには
少しは元気になったような祐。

アタシ
「じゃあそろそろ行きますねぇ。」


「おう。サンキューなっ。
元気もらえたわ。
とびっきりのオシャレで行っちゃる。
あと4時間頑張れよっ。
待っとるから」

アタシらは電話を切った。

祐が何で落ち込んでたのか
アタシが知るのはまだまだ先のこと。

祐の弱さを初めて知った。