その日の晩
祐から電話がかかってきた。
アタシらが別れてから初めての電話が。

アタシ
「はぁぃ」


「おいつ!!!
お前妊娠してるってホンマけっ?
なぁ?」

アタシ
「ぅん。ごめん…」


「お前が謝るなや。
謝らなアカンのはオレのほうや。
悪い。」

祐は泣いていた。

アタシ
「祐?祐は悪くないよ?
祐は気にせんといて。
かなちゃんだけを考えてあげて。」

アタシはそう言って電話を切った。
アタシも涙が溢れた。
祐とはもっと話したかったけど
かなちゃんから祐をとるような
気がして嫌だった。

次の日アタシは22時にバイトが終わり
従業員ルームに入った。


…ぇ?

祐がいたのだ。

"なんで涼の終わる時間知ってるの…?"

アタシの時間に逢わせてくれた
祐の気遣い…?


「お前昨日なんで電話切ったんな?」

祐の目は凄く腫れていた。


「そのままでええからちょっと来い。」

アタシは仕事着のまま
祐がアタシの荷物を持ち強引に引っ張られた。
が…アタシが妊娠していることを
実感したのかすぐに手を離し
ゆつくり歩いてくれた。
これも祐なりの気遣いなのか…。

外に出た。