ーー『!』

ーー『あるなら言えよ。全部叶えてやるから』

ーー『・・・』


沙和は少し考えてたあと、なにかを思い付いたような顔をした。




「なに?」

ーー『…一つだけ・・あるな』

ーー『なに?言えよ』

ーー『でも…これは絶対叶えられないよ』




「言ってみ」

ーー『・・・』


沙和は一瞬ためらったあと、ゆっくりと手を動かした。





ーー『奏の声が聞きたい…』

!!



沙和の意外なお願いに、びっくりしてしまう俺。




ーー『ね?無理でしょ?』


小さく笑う沙和。

俺は沙和に軽く笑顔を返し、頭を撫でた。





ーー『いつもね…奏と手話で話してる時思うの。奏って、どんな声なんだろうって。』

「うん…」