「な・ん・な・ん・で・す・か?」

「うっ……」

目だけが笑っていない笑顔で問い質すと、ジュークは観念した様に少しずつ話し出した。


「そ、その。俺たちマクスウェル家の吸血鬼は、愛する者に自分の血を飲ませる事で花嫁の契約をするんだ」

「そうなんですか……」

確かに花嫁にしたとは言われても、それでどうして吸血鬼の業を背負い不運体質になってしまうのか疑問だったキサラ。

それが吸血鬼の血を飲むという方法で花嫁の契約をしたのなら納得がいくというものだ。


だが、キサラはジュークの血を飲んだ記憶など無い。

(一体いつの間に飲ませたのかしら?)