何やら焦《じ》れったくて自分からハッキリした答えを口にすると、躊躇いがちに「ああ」と返される。

「はい!?」

衝撃につい責める様な声音になってしまう。


(何? つまりあたし、知らないうちに寝込みを襲われてたって事!? そりゃあジューク様は婚約者だし、キスしたっておかしくは無いけれど……)

それにしたって。

「意識の無い娘になんて事してくれてるんですか!?」

あまりにもな出来事の発覚に、キサラは責め立ててしまう。

「寝込みを襲うなんて、紳士としてどうなんですか!?」

ショックと怒りでついジュークの胸ぐらを掴み責めた。

少々混乱しているキサラは、その行為が淑女としてどうなのかとは考える余裕は無い。