「あ、あの……どうなさったんですか?」

今度はキサラが聞く番になる。

だがジュークは中々答えず、キサラは先程までの照れも忘れて訝《いぶか》しんだ。


「本当に、どうなさったんですか?」

もう一度質問をぶつけると、やっと彼は口を開く。

だがーー。


「キサラ……その、すまない」

真っ先に出て来たのが謝罪の言葉で、キサラは目を丸くする。

自分は彼に謝られる様な事をされたのだろうか?


「実はな、キサラ。今のが初めてでは無いのだ」

「は?」

「この前、暴れ馬の事件のあった夜。眠っているお前に無性に触れたくなって……」

「キスしたって事ですか?」