仕方なくキサラは恐る恐る瞼を上げる。

そうして目に入ったジュークの顔は、今まで見た事の無いとても優しい微笑みを浮かべていた。


ドキンッ


心臓が大きく跳ねる。


(え? な、何これ?)

ドキドキと鼓動が早くなる。


恥ずかしいとか、驚いたとか。似ているが全く違うもの。



「やはり、綺麗な目をしている。……この目だけは昔から変わりないな」

そう言って頬を撫でるジュークに、キサラは息を止め顔を真っ赤にさせた。


「……お前を花嫁に決めたのは、この澄んだ瞳が気に入ったからだ。だが十年経ち、もうこの目は濁っているのだと思っていた」