そんな声がすぐ近くから聞こえ、キサラの顔は一気に赤くなった。


(な、何!? いつもは特に話し掛けてきたりしないのに……!)

ドクン、ドクンと、心臓の音が大きく聞こえる。

顔が熱くて、頭がぼうっとしてしまう。


声を聞いただけでこうだというのに、背後のジュークは何を思ってかキサラの体に腕を巻き付けて来た。

「ーーっ!!?」

悲鳴が口から出てこなかったのが不思議なくらいだ。

それくらいキサラは驚き、どうして良いのか分からなかった。


(な、何で? どうして!? 寝ぼけてるの!?)