(何でまた……。セラさん閉め忘れたのかな?)

とは思うが、いつもしっかりと仕事をこなすセラが忘れるとは到底思えない。

だが、他に理由が見当たらない。


まさかわざと開けたままにしているのだろうか?

(でも、それこそ何で?)

理由など思いつく訳が無かった。



「……ん? キサラ、起きたのか?」

キサラが眩しさと戦いながら答えの出ない疑問を考えていると、頭のすぐ後ろからかすれた声が聞こえた。

寝起きの、吐息と共に吐きだされる色っぽい声音。