有沢秋。女。中学3年生。
今年7回目の


―――…事情聴取。

「しゅーうー!!今回は本気なんじゃなーい?」

お昼休みに大きな声で話すのは、私の貴重な女友達、大森華。

「誰を?」
「もーっ!誰って、決まってるじゃん!」

ぷりぷりと怒る彼女は、学年でもトップを争う程の美少女だ。

怒る姿でさえも、男子は目をハートにして見ている。

「え、涼太?」

と私は仲のいい男子の名前を口にした。

「違うよ!中川君じゃなくて!」
「じゃあ、辰季?」
「岸野君も違う!」

言うこと全て否定され、だんだんムキになっていく私。

…なんてったって、さばさばしてますから。

「じゃあ、晋司?悔?夏也?恒?秀幸?秀へ…」
「違違違う!みんな違うよ!」
「誰よ?」
「もーだからあ…」
「秋!」

華の言葉と被る様に、遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。

「あ、彰人。どうしたの」
「秋さ、俺と同じ放送委員だったよな?今日放課後、放送室に集合だってよ」
「え、何で?」
「んー、放送器具の使用方法の確認じゃね?」
「あ、そう。わかった。行くよ」

私がそう言うと、彰人はどこかへ去って行った。