あー。俺、短気すぎるよな。

でも、なんなんだよ。
あの佐口って奴。
馴れ馴れしく優羽のこと
「優羽ちゃん!」
なんて呼びあがって。


あいつ、余裕な顔して
俺の事見てきあがった。

優羽にも
「待ってなくていいから。」
なんてあたっちゃったし。


あー、イライラする!

俺は思い切りサッカーボールを
蹴った。


「こらー!松谷!
集中してないなら、部活に来るな!」

「すいません。」

あー、今日はとことん
ついてない日だ。


すると、とんっと後ろから
肩を叩かれた。

「お前も余裕ねぇな。」

「魁都。」

あいつはいつだって
俺の心ん中をいとも簡単に
見抜く。

ほんと、あいつは
いい奴すぎる。