あの日、教室にいたのが君じゃなかったらどうなっていたんだろう。
この出会いがあたし達の始まりだった。



「真央?髪の色変えたぁ?」
私の髪を触りながら美花は聞いてきた。
「うん。ちょっと落ち着いた色にしてみてん」
さすが美花…
彼女とは幼馴染で、いつも一緒にいるせいかお互いの変化には、必ず一番最初に気づく。
「似合ってるやん!私はそっちの方がいいと思うで」
美花はチャームポイントのエクボを出して、にっこり笑った。
…可愛い。
幼馴染の私でもこの笑顔を向けられると、キュンっとなる。
今も昔も変わらない美花。
でも、すごく綺麗になったよね…
その変化は私が一番分かってると思うよ。
それに…年々彼女の事を狙う男達が増えてきてるし…

「大本…ちょっといい?」
あ、隣のクラスの…高吉君だ。
教室の後ろのドアから美花を呼んでいる。
「どーしたん?ここじゃあかんの?」
美花は少し面倒くさげに言った。
…って言っても、そう見えてるのは私だけだろう。
いつもどうり笑っている…けど、少し声のトーンが高い。
美花が絶対的にだるい時、する態度だ。
これも長い付き合いのおかげで、分かってきた事だと思う。
「う、うん…」
「ちょっと行ってくるわぁ……はぁ」
ガタッ…
美花は静かにため息をして教室を出て行った。

きっと告白だろうなぁ。
美花、スタイルよくて本当に美人なの!
そこらのモデルとは比べ物にならないくらい。
それに、すっごい優しいし、強い。
小さい頃から私をからかった奴らを蹴飛ばしたり、泣いていたらずっと側にいてくれた。
男子には結構冷たいけど……
それでも美花は中学から美人で有名人だった。
高校に入ってからもこの通り。
週一のペースで呼び出されて告白されてる。