私の体の中には大きな海があるのだろうか。


どうしてこんなにも涙は出てくるのだ?

どこからこんなにも、悲しくて辛い涙が出てくるのだろうか?




おとといも、昨日も、今日も。
たくさん流した涙たち。





私のこの涙たちはどこから来たのだ?





でも・・・。なぜだろう。


今日は、おとといや昨日と何かが違うのだ。




涙が・・・涙が流れたのは―――


たったの一滴。



その涙は地面に落ちてはかなく消えていった。


悲しいのに、辛いのに、涙が流れてこない。
流れたのはたったの一粒だけ。


なぜ?



あぁ・・・

そうか―――



私の中でわかったことがあった。



それは―――



これが現実だということ。




これが、現実なのだと、リアルなのだと、薫が教えてくれた。

私の心に深く刻んでくれた。



だから、私は―――



それを認めたのだ―――