ちなみにうちは3階建て。
敷地自体は広いのだが、父さまの趣味や母さまの趣味などで埋め尽くされた結果、家自体は小さくなってしまった。
しかし、私と父さま、母さま、執事、シェフらを合わせてもそこまで人数が多くない家であるため広く感じられる。
書斎、寝室、大ホールの3部屋からなっている3階は全てが私の部屋となっている。
大ホールは私にとってはなくてはならない部屋なのだが、今はそれを話している余裕がない。
そそくさと朝食をとり全ての身支度を済ませる。
全ての準備が終わりかけた頃・・・
「お嬢様っ。」
「あいかわらず時間にぴったり合っているな。」
時刻は現在、7時45分。
「もちろんでございます。1分1秒が大切ですから。では、お嬢様手早くやってしまいましょう。」
「たのむぞ。・・・だが、優しくな。」
「本日はゆっくりしている時間はございませんので、熱くても痛くても我慢してください。」
「い、痛いのは嫌だからな!」
「嘘ですよっ。」
い、いかん。今日はこのまま任せるしかないようだ・・・。
少し不安を抱えながらも、5分後。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
どうやら事は済んだらしかった。
「あぁ。済んだのか?」
「はい、具合はいかがでしょうか?」
「痛くなかったし、よしとしよう。」
そして鏡を私に渡してくれる執事。
うん、今日も完璧な仕上がり。
「今日もお嬢様の髪はきれいですね。」
「当たり前だ。」
「でわ、急ぎましょう。」
「そうだ、急がねばっ。」
大急ぎで荷物を持ち、車に乗り込む。