部屋の中央にあったもの。



それは・・・

「どういうことだ?」


「さぁ・・・。」

「薫も知らないのか?」


「・・・さぁ?」


この反応は、おそらく薫が仕掛けたことだろう。


口では「さぁ」と言っておきながら目元は怪しい光を放っている。

「中身は何だ、薫」
「さぁ」

「正直に言ってみろ」
「さぁ」

「私のどうしてほしいのだ」
「さぁ」



「あぁ!もう!この中身はなんなのだ!」


箱の大きさを考えれば大きなものは入らない。

縦横80センチ、高さは90センチといったところだろうか。


ということは、ケーキか。

しかし、今日は誰かの誕生日というわけでもない。



ましてや、記念日というものでもない。


だとすると・・・

「姫乃さ」


「なんだ。」


「そうこうしてる間に開けてみたらいいんじゃないか」
「そう簡単に言うということは、私が怖がるようなものが入っているということか!」


「考えすぎだろ。」


「だってぇ・・・」

「ははっ、なんだそれ。まぁ、そんなに怖がんなって。保障するから。」


薫がやけに真面目に話している。


これは何か裏がありそうだな、と考えていたとき―――


ガサガサッ―――