「姫乃、俺のこと好き?」
この質問を受けるのはあの日以来。
あの時はちゃんと答えられなかった。
だから、今日はちゃんと言うよ―――
「好きじゃない。」
「は?」
「愛してるよ?薫」
そして、私から薫にキスをする。
少し戸惑っていた薫も、私を抱きしめながらキスをしてくれる。
世界一愛してる、薫―――
そっと二人の唇が離れる。
そして薫が私の耳元でそっとささやいてくれる。
私にだけ聞こえる声で、優しい声で、愛しいあなたの声で―――
「姫乃、俺も愛してる。」
薫の力強くも優しい腕の中で、私はもう一度「愛してる」とつぶやいた。
夕日が抱き合う私たちを照らしていた。
まるで、これからの二人の未来を明るく照らすように―――