「最近俺、寝つきが悪くてさ。だから、姫乃に添い寝してもらえたら寝れるかなぁって。」

添い寝?でもさっきは添い寝ではないって。


「だから、気にすんなって。エロいこと考えすぎだっつの。」
「そんな、だって薫はっ・・・んっ」


まるでその先を言わせないように唇をふさぐ薫。

「んっ・・・ゃっ、か、おるっ」

気が付けば、薫は私をベッドに押し倒していた。


それでも、キスの嵐は止まらなくて、私の意識がもうろうとしてきたとき、ようやく解放された。


「姫乃に我慢させてまで、やりたいわけじゃない。だから、今日はこのまま添い寝して?それだけでいいから・・・。」

そっと抱きついてくる薫が本当に子どものように思えた。

薫はちゃんと私の気持ちを理解してくれている。


私は、なんて幸せな彼女なんだ。
こんな最高な彼氏は世界中どこを探しても薫だけだ。

きっと、いや、絶対―――。


「ありがとう、薫・・・」

私も薫に抱きつく。薫の体温はお風呂上がりのせいもあってか、少し熱く感じた。


でも、私にとってはとても心地いい場所だった。
薫に抱きしめられたまま、私と薫は一緒に寝ることにした。


「やばっ。このベッド姫乃の香りがする。」

「当たり前だ。私のベッドなわけだし。」


「俺、幸せ。」



「・・・私も、幸せ。」

さっきよりも少し強く抱きついた。

薫の胸に耳をあてると、薫の心臓の音が聞こえた。


トックンッ、トックンッ、トックンッ―――


一定の速度で聞こえてくるその音は薫が隣にいてくれているという証拠。
ずっと聞いていたい、そう思っていたとき頭上から薫の声が聞こえた。


「このまま襲ってもいいかも。」

「えっ!?」