でも、やはり怖い。

薫は無理やりにとは言わないと言ってくれた。

姫乃が嫌ならとも。



でもきっと、本当は・・・

なら私はそれに答えるべきではないのか?




薫が喜んでくれるなら。

薫が幸せだと思ってくれるなら、私は―――


「姫乃?何やってんの。」

「か、薫っ。早いな。」


「いつもこんなもん。さっぱりした。明日楽しみだなぁー。」


隣で明日のことを楽しみにしてくれている薫がいる。

『明日何着よっかな』『あ、ワックスあったっけ・・・』などと今からはしゃいでいる。


楽しそうだな―――


「姫乃?」

「え?」


「どうかしたか?」


「あ、いや・・・」


ここで、きっと言わないと・・・もう言えないだろう。

「姫乃?」


「・・・・・・」
「どっか具合悪いのか?」


「違う・・・。そうではなく・・・」

「なに?」



胸の鼓動がどんどん激しく鳴りだす。

大きく息を吸って、言おう、としたとき薫が先に口を開いた。


「姫乃、変なこと考えすぎ。」

「えっ」


「さっきの寝るってことだろ?あれ、添い寝のことだって。」


え?どういうこと??