櫻井、薫。


それが私に与えられた課題。



「私が思う薫?」

「この絵は俺が思う姫乃だった。姫乃はバラに似てる、って言ったろ?だから、姫乃は俺が何に似てると思うのか、それを描いてほしい。」


「・・・難しいな。」
「姫乃なら描いてくれそうだけどな。」

「描くよ!描くけど・・・時間がかかりそうだ。」

「2か月後。」
「え?」


「2か月後、俺が帰ってくる時までの課題な。」


そんな、そんな期間で描けるわけ・・・。



いや、描いて見せる。
薫に喜んでもらえるように。

一生懸命描く。


「わかった。楽しみに帰って来て、ください。」

「敬語か。姫乃らしいなっ。」


あの優しい笑顔で、私を見つめる薫。

そんな薫の目はやはり少し寂しそうだった。


「姫乃、この絵あっちに持って行ってもいいか?」

「アメリカにか?」
「そ。これ見たら元気でるし。」


「あぁ。持って行ってくれ。私は薫の絵を描くから頑張れる。」


「さんきゅ。」


私の絵を持って行きたいと言ってくれる人がいる。

元気が出ると言ってくれる人がいる。


なら、私はそれにこ答えるだけだ。


「さぁて。俺も風呂入ってこよっかな。先に部屋に戻っといてくれるか?」

「うん。わかった。」



薫がお風呂に行っている間に私は自分の部屋に戻りまたあのことを考え始める。


『一緒に寝る』ということ。



私は、薫にできることをしたい。