その絵は―――あの日のままだった。

少しだけ色が褪せたような気もした。



でも、何も変わっていない。

1年以上も経つのに。



何も変わっていない。
あの時の思い出もあの日の会話も。

その前までの記憶も、その後の記憶も。



楽しかった記憶、辛かった記憶。

嬉しかった記憶、悲しかった記憶。


幸せだった記憶、孤独だった記憶―――



すべてはここに隠してあった。
あの日、私が隠したままの姿でここにあった。





「・・・バラは、私によく似ていると思わないか・・・かおる」


「えぇ。そうですね。」

「誰かに見つけてもらいたかったのだな・・・」


「ちゃんと見つけられたじゃないですか。」



「かおる・・・」

「はい。」



「今まで、のかおるは・・・2か月間のかおるは・・・っ」

「・・・・・・」



「私にとって大切な、香織だったからっ」


「はい。ですがこれからは一緒に頑張りましょう。お嬢様。」


「・・・っあり、が、とう」

「お嬢様は今でも」


薫さんが好きなんですよね?―――




あぁ―――




大好きだ―――