「誰、探してんの?」
「ふぇ?」
うわっ!
急に話しかけられたから変な声でちゃったよー!
この人、だれだろ?
「だから、誰かに何か用?」
「え、あ、その、理科の教科書を借りようと…。」
「誰に?」
「え、いえ!やっぱいいです!」
なんかこの人こわい!
逃げよう!
走って逃げようとしたら、「待てよ。」と腕をつかまれた。
え……?
「俺の、貸す。」
え、え?
「そ、そんな、悪いです!」
「いいから。…てか、もうチャイム鳴るけど?」
え!?
や、やばいー!!!!
「あの、お借りします!ありがとうございます!!」
ぺこりとお辞儀をして、全速力で走った。