「そうなんですか~彼女さんいるんだ~」

告られるのかなって、思ってしまった自分が恥ずかしくて
ァタシってうぬぼれすぎかな~と赤くなった。

「遠恋なんだ」
センパイがちょっと寂しそうに言った。

「俺がこっちの大学来ちゃったから
ずっと離れてるから、さみしい思いさせてるなって思って、

離れてても電話とかメールはいっつもするから、
もし相川が彼氏いるなら、
相川だったら彼氏からどんな言葉もらったら嬉しいか、
参考に聞きたかったんだ」

プライベートな話聞いてゴメンって
センパイは謝った。


そのときのセンパイは
本当に恋人のこと大事に思ってるのが伝わってくる
優しい表情をしていた。

ァタシは、
たった今「彼女持ち」って聞いたばかりだっていうのに、
センパイの優しい笑顔に、
惹かれてしまった


馬鹿、うらん、何考えてるの?
相手は、恋人のこと大事に想ってる人だよ?
ァタシなんか見向きもしないよ?

自分を止めたかったけど
でもセンパイの優しさに胸がときめいてしまって

幸せになれるはずがないとわかってたのに

ァタシはその日、センパイを好きになってしまった。


恋って本当に矛盾だらけだと思う。

もっと簡単に両思ぃでラブラブになれる相手
いくらでもいるはずなのに。

なんで、よりによって
恋人を大事にしてる優しい素顔になんか
恋しちゃったんだろう。
ァタシに向けられた笑顔じゃないのに。

でも…

遠恋のカノジョのことを語る先輩の横顔、

なんかすごく、
綺麗だったんだ…

泣きたくなるくらい