「じゃあ、明日学校でな。」


そう言って、俺たちは別れた。

上から吹きつける夜風が、俺のまつげのウエーブを作った。

まばたきの回数が増えた俺は、なるべく道路に遠い歩道を歩くようにした。


「付き合う、のか。」

俺のアパート近くの自販機でコーヒーを買って、両手で握りながら俺はそうつぶやいた。

決して否定的な意味ではなかった。
チエと俺は、2人で会うことも多くなっていたし、周りの人間も俺たちが付き合うのは時間の問題だと思っていただろう。

渡された台本を確認しながら読む。

そんな感覚でつぶやいた言葉だった。