「あっ、忘れ物した。」
「何、忘れ物って?」
「明日テストの数学の教科書。思い出して良かったわ。」
「しっかり、歩くん。」
「わかってるから一々言うなよ、涼。」
親友の田嶋 涼[タジマ リョウ]
何かと一々うるさい。
俺は、何か言ってる涼の言葉を背に、一度出た校舎の中に入った。
窓から夕陽の茜色が廊下を染める。
外は下校中の生徒や部活動の生徒の声で賑やかだ。
それとは逆に、校舎の中はとても静かだった。
たまに誰かの足音や先生の会話が聞こえるくらいだった。
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