「ギターは慶じゃないと…嫌だ」

『!』


今のギター担当者には申し訳ないけど…

その人はいい人だし、ギターの腕は普通だけど…一応プロのギタリストだし…


その人なりに頑張ってくれてるし…

文句を言うつもりはない。


でもその人はあくまでも、慶の代わり。

それはその人にも、ちゃんと伝えてある。




だから…

いつでも慶が戻ってくることができるんだ…


慶の場所は…

ちゃんとここにある。





『早く戻ってきてよ…』


うずくまり、膝を抱える私。

慶はしばらくなにも言わない。





考え込んじゃったかな…?

なんかマズイこと言った?





「あの…慶・・」


『……ん?あ…ごめん。一瞬寝てた…』




はっっっ!?


寝てたの!!?