私は電話越しに、慶の様子ををうかがう。





『うん…さっきお前が帰ってあとにすぐ寝て・・飯食ってまた寝て、9時くらいに起きた…』

「9時!?それ寝過ぎでしょ(汗)」

『まあね。だから子守唄歌って』

「は(汗)」


子守唄?




『日本が誇る歌姫のsAra. ちゃんに歌ってもらえたら、俺は速攻で寝ますよ』

「う、歌うなんて嫌だよっ」

『てめえ、それでもプロか』

「プロとか関係ないでしょっっ」

『あはは』


慶の声聞いてるだけで安心する…

疲れや眠気なんて、一気にぶっ飛ぶよ…





『…もうすぐツアーだろ?』




「うん…さっきまでツアーの打ち合わせと、練習してきた」

『そっか…』

「早く慶に戻ってきてほしいな…」

『俺の代わりのギタリストはいるんだろ?』

「いるけど…腕は正直普通だよ。慶のギター聴いちゃってるせいか、耳が肥えてるんだよね、私…(汗)」

『ハハ、贅沢者』


鼻で笑う慶。


入院している身なのに、余裕なところがかっこいい。