私と慶は…会場からの声援に包まれる。


私は目を見開いたまま、

慶をじっと見つめることしかできない…



声援はしばらくなりやまなかった。

しかし、しばらく経つと…声援は徐々になくなり、また静まり返った。


慶はまたマイクで話始める。




「俺らみたいな仕事をしてる奴らは…好きなやつに、想いを伝えても・・疑われたり、伝わらなかったりする。それはなんでかって言うと…一緒にいる時間が少ないし、すれ違いが多いから。本当に相手の事が好きなのに…なぜか伝わらない。相手が本当に自分のことを想ってるか、わからない…」



慶…


そうだよ。

私たち芸能人は、好きな人と好きなときに一緒にいられない。


限られた時間…

仕切られた空間でしか会えない。



だから、不安になる。

相手が本当に自分のこと好きなのか。


もしかしたら、浮気してるんじゃないかとか…