ごそごそ



…?

着ているジーンズのポケットを、探り始める慶。




「…ん」

「え」


慶はポケットから出して握りしめた手を、私の目の前に差し出す慶。


ステージと会場の空気は、しーんと静まり返っている。

私はわけがわからなかったが、慶の差し出した手の下に、自分の手のひらを置く。




「!」


手のひらに…

なにかが転がる感触…



慶が手を引っ込めた瞬間、

私の手のひらに乗ったものが、目に飛び込んでくる…