JINくんが会場に手を振るだけで、会場の声援は熱くなる。


私はできるだけ笑顔を振り撒く。

JINくんはというと…

悪魔の仮面を脱ぎ捨て、仕事の仮面を被っている。


それをみるだけで、イライラする…




ま、さっさと歌って、終わりにしよう。




「で、では聴いてください…」


私のその一言で、ステージの照明が薄暗くなり…

バンドたちの伴奏が流れた…





この曲は好き。大好き。


だって、慶がつくった曲だもん…



ただ、一緒に歌うやつが嫌なだけ!



隣にいるJINくんを睨む私。